令和4年度税制改正で、住宅ローン控除を受ける際に必要だった借入金の年末残高証明書の提出が不要になりました。
そこで今回は、その残高証明書提出不要の改正の概要と改正後の具体的な手続の流れについて解説します。
関連記事残高証明書提出不要の改正以外の住宅ローン控除の令和4年度税制改正について詳しくは以下の記事をご覧ください。
残高証明書提出不要の改正の概要
住宅ローン控除を受ける際に借入金の年末残高証明書(以下「残高証明書」)の提出が不要になった改正の概要は以下の通りです。
- 今まで銀行から納税者へ送られていた残高証明書の情報が直接税務署へ送られるようになるので、今まで必要だった納税者の残高証明書の提出が不要になりました。
- 税務署では毎年銀行から送られてくる年末残高の情報を基に、1年目は初年度確定申告の年末残高の確認を行い、2年目以降は年末調整や確定申告用に年末残高が記載された控除証明書を毎年納税者へ交付します。
- この改正は令和5年入居から適用されます。
改正後の具体的な手続の流れ
改正後の具体的な手続の流れは以下の通りです。居住開始年と2年目以降で異なります。
居住開始年(確定申告)
- 納税者⇒銀行
- 住宅ローン契約時
- 住宅ローン控除に関する適用申請書を提出
- 銀行⇒税務署
- 住宅ローン控除に関する適用申請書の提出を受けた翌年1月31日までに
- 年末残高の情報等を記載した調書を提出
- 銀行⇒納税者
- 年末残高の情報等を交付
- 残高証明書の交付は不要(税務署へ年末残高を記載した調書の提出があるので)
- 納税者⇒税務署
- 確定申告書を提出
- 残高証明書の提出は不要(税務署へ年末残高を記載した調書の提出があるので)
2年目以降(年末調整)
- 銀行⇒税務署
- 毎年10月31日までに
- 年末残高の情報等を記載した調書を提出
- 税務署⇒納税者
- 毎年
- 年末残高の情報等が記載された住宅ローン控除証明書を交付
- 銀行⇒納税者
- 残高証明書の交付は不要(税務署からの控除証明書に年末残高の記載があるので)
- 納税者⇒勤務先
- 住宅ローン控除証明書の添付等をした住宅ローン控除申告書※を提出
- 残高証明書の提出は不要(税務署からの控除証明書に年末残高の記載があるので)
※計算明細書として税務署へ確定申告することも可能
まとめ
いかがだったでしょうか。納税者にとって残高証明書の提出が不要になったのと、税務署から年末残高が記載された控除証明書が送られてくるので住宅ローン控除の手続が簡単になりました。参考にして下さい。